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アコーディオンの父と言われるイタリアでのアコーディオン製造の基となったPaolo Sopraniの弟のSettimio
Sopraniが作って高い評価を得たArtist
VIは今の車で言えばメルセデスベンツのマイバッハのようなもので、その内製リードの質の高さは今ではお金では買えないといわれるものだったようだ。 Settimio
SopraniとScandalliが合併して社名がScandalliに統一された後は、この有名なArtist VIはScandalli Super
VIと名を変えて販売された。 これが、Scandalli Super VIが世界で名高い背景です。 当時のScandalli
VIはそれこそベンツのマイバッハだったということができると思います。 その評判の高さゆえに、そのグリルデザインをほぼコピーして安く販売してきたのがGuerriniだ。 製品はまるで異なるものですが。 Settimio
Sopraniを合併したScandalliもその後、アメリカ巨大楽器メーカーBontempiにより、Paolo
Sopraniなどと合併してFarfisaという当時イタリア最大のアコメーカーになるが、Bontempiの撤退により、Scandalli Super
VIやPaolo
SopraniブランドのアコはMenghini社との合弁による別の会社組織となる。 その後、内部のオーナーシップの変更などにより、SEMとも一緒になり、現在Scandalli
Super
VIを製造しているメーカーの名前はSuoni社だ。 Suoniとはイタリア語でサウンドという意味だとか。 12歳からアコを習い始め18歳でワールドチャンピオンになったMirco
Patarini氏は現在このScandalli Super VIを製造するSuoni社の取締役でオーナーの一人。 彼の愛用するアコはScandalliのFree
Base付きの45鍵盤ピアノタイプアコだ。 彼によれば、やはりScandalli Super
VIという名作を今日でも同じ品質性能を持たせるようにあらゆる努力をしているが、メルセデスベンツのマイバッハとも比較されるかつてのSettimio Artist
VI、あるいはScandalli Super
VIの品質・性能を100%再現することは難しいと述べている(下記の興味あるインタビューをご参照ください)。 今年の3月のフランクフルトのドイツ楽器展ではこの歴史的なScandalli
Super
VIにあらたに"Air"という軽量タイプを発表して話題を撒いた。 歴史上のアコをそのまま造り続けるだけでなく、時代の要請に基づき常に改善していくというのも同社のポリシーとして好感が持てる。 カブトガニさんが実際にご愛用になさっていたのはまさに、このベンツのマイバッハとも比較される世にも名高いSettimio
Sopraniだったことは間違いないと思います。 今、このモデルをお持ちの方はお宅にベンツのマイバッハがあると思ってもいいと思います。 こんなモデルがでてくれば、100%レストアしてみたいです。 本日は、千葉県からお一人私のアコの花園にお遊びにこられて、いろいろなタイプのアコを比較した結果、最後に鳴らした中古のScandalli
Super
VIがなんといってもベストだとのコメントをいただきました。 このアコはまだネットの販売には出していません。 入手して早半年になるのですが、ネットに出してどなたかに買っていかれてしまうのが惜しくて、まだ出していません。 オランダの有名なタンゴオーケストラのマランド楽団ですが、ミスター・マランドも愛用していたのがこのScandalli
Super
VIでした。 これで弾くオレ・ガッパの気分はマランド。 カブトガニさんの普通のサラリーマンの数倍の給料だったキャバレーの月給の5年分の価格で購入なさったといわれても、これなら納得がいきますね。 今、そんなアコはありません。 せめて月給の何倍かの値段のアコを買わないと、それなりの音色は出ないと割り切れば、お安く買ったアコの音色にはそれなりのコストパーフォーマンスがあるという慰みにもなるかもしれません。 ただ、今もっていて、気に入っているアコと違う世界があるのだということはおぼろげながらでもご理解いただけたかも知れませんが、実際にそんなアコに触れてみると、これまで人生を無駄に生きてきたような気分にもなり、また、残された人生をこれで終わらせたくないと思えるようになるから不思議です。 アコの花園から抜けられません。 皆様にも是非ご体験していただきたく存じます。 とくに、エキセルとブガリしか知らずにこれでいいのだと思っている人。 人生が変わります。
http://accordions.com/interviews/patarini/index.shtml
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