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Frankfurt
Airportで本業の取引先ご一行を見送ってから、混雑していたレンタカーの窓口でやっと順番が回ってきたときには時計はすでに12時を回っていた。 今日中にCastelfidardoに到着するにはこれから1200kmを走らなければいけない。 あせる気持ちでレンタル手続きをしていると、このレンタカー屋が軒を並べるAirportの一角だけが全員緊急避難の命令がでて、全員屋外に追い出された。 テロリストか愉快犯か不明だが、爆弾をしかけたとの情報だった。 そんなこともあり、さらに手続きが遅れ、出発できたのは午後2時近く。 久しぶりの左ハンドル、右側走行に緊張するためか、昨晩までの旅の疲れか、アウトバーンでのなれない高速走行のせいか、短時間の走行で一気に疲労が襲ってくる。 時速200km近くでの居眠り運転は即死の可能性が高い。 幾度となく、パーキングエリアで休息をとりながらの前進なので、はじめの100kmを走るのに3時間も要している。 これでは今日中にCastelfidardoにはたどりつけない。 ガムを噛み、水を飲み、歌を歌う、が眠くなる。 それでも400km走破してやっとミュンヘン到着、渋滞に巻き込まれる。 渋滞中に一天にわかに掻き曇り、暗雲のなかから稲妻が走る。 バケツをひっくり返したような局地的集中豪雨。 渋滞が解けてもワイパーが役にたたず緩行を余儀なくされる。 それでもじっと我慢の子、夕闇迫るころ、オーストリアのインスブルックに到着。 四方を山にかこまれているせいか、いまだに厚い暗雲と雨のせいか、緯度を南下したせいか、日の暮れるのが早い。 もうとっぷりと日が暮れている。 まだ500kmをちょっと越えたところで、あと700km残っている。 そのころには疲れも峠を越したので、もう一踏ん張りということで、アルプスのベルナー峠越えにチャレンジ。 峠を越えたところはすでにイタリアだ。 イタリアとはいえ、この地域は「南チロル」地方で、かつてはハンガリー・オーストリア帝国の一部、ドイツ系住民が多くすむ地域。 アルプスの南斜面にあるこの地域は、緑深い美しい自然に囲まれた落ち着いた雰囲気の果物に恵まれた豊かな地域だ。 峠を越えて間もないBrixenの村に投宿した。 谷川のせせらぎの聞こえる、小鳥の声に満ちた、緑の山に囲まれた空間にいるとなぜかとても懐かしい気持ちが湧いてくる。 ドイツ・オーストリアのベースにイタリアの気分が溶け込んだこの地方のこの気分はなんと表現したらいいんだろう。 きっと、Steyrischアコなどでの楽しい音楽があるに違いないなどと想像していたが、今回のAlbergoには無かった。 一夜明けて、窓をあければ窓辺まで迫る山また山。 空は相変わらず厚い雲に覆われている。 今日はあと600kmを走破して、何とか午後のミーティングには到着したい。 午前中のアポをキャンセルすると後は、午後3時にならないとあってもらえないのがイタリア式。 ゆっくりお昼に時間をかけるためです。 昼休み3時間! これなら確かに人生を楽しめるはずだ。 ゆったりとした気分での楽しい食事、会話、そしてアモーレ。 どうも、この辺のQuality
of
lifeはどう見てもイタリアの人のほうが豊かだなぁと思う。 貧乏性の日本の旅人一人は朝飯もそこそこにまたイタリアの高速道路をぶっ飛ばし、今回は何軒アコメーカーにアポがとれるのだろうかとあくせくするのでした。 写真は雨のアルプス越え。 (続く)
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