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ドイツ最大のアコーディオンショップがAkkordeon Centrum
Bruschだ。Hamburgの本社・本店を持つが、最近はBerlinにも出店、南ドイツのWuerzburgにも出店計画を進めている。ドイツでも通常の楽器店では並べてあるアコーディオンの数はまちまちで、並べてあっても、やはり種類は相当限定される。私が昔通っていたDusseldorfの有名アコーディオンショップJoergensenでも数十台というところだ。 このような数十台もアコをならべている楽器店はむしろ例外的と言える。 ところが、このAkkordeon
Centrum
Bruschは現在の在庫数がなんと700台もあるのだ。 ほとんどの有名メーカーの新品、中古、展示品のアコなどを所狭しと並べている。 下のInternetのOnline
Shopだけでも相当の数量が見て取れる。 現在の在庫分をすべてOnline
Shopに載せているわけではないので、実際はものすごい数を在庫している。 ただ、多くの数を在庫しているというのでは意味もないが、やはりお客様は多様なアコの中からお気に入りのアコや、ご予算にあったアコを見つけ出して購入することから、成約率も高く、Customer
Satisfactionも高いというわけだ。 もちろん、修理、調律のサービスも充実している。 いまや、イタリーをはじめ、最大手のアコメーカーが列をつくってBrusch詣でをしているという状況だ。 正確な数字は把握できないが、ダントツに高い販売量のシェアととっている模様だ。 今回のドイツ楽器展での収穫のひとつはイタリーの大手アコメーカーの社長の紹介などもあり、同社社長と親しく歓談できたことだ。 15年前に当時小さな地方の一楽器店だったAkkordeon
Centrum
Bruschを買収した現在のオーナー社長は、やはりお客様へのサービス、それもひとつのブランドだけを売るというメーカー志向ではなく、お客様の立場に立った販売方法、すなわち、できるだけ多くの異なるメーカーや製品を並べて、お客様が必ず気に入る商品を見つけられるように十分な在庫を用意したことにある。 ドイツ以外の国、たとえばイタリアなどでは相変わらずアコ教師が生徒に特定のアコメーカーの製品を「推薦する」という形で、半ば密室の中での強要に近い形での販売が行われているようだが、ドイツではこのAkkordeon
Centrum
Bruschの出現と、やはりInternetの出現により、この教師の「推薦」という古いアコ販売スタイルは一気に消え去ったといえる。 こんなに千差万別で、価格も決して安くない商品を単なる先生の「推薦」だけで買わされることを、あらためて「被害」だ、と感じる人が増えてきたということだと思われる。 このすばらしいアコの世界は、同じモデルでも調律ひとつでまったく別の味を持つアコになってしまう。 色や、鍵盤の数、あるいは、他の人が持っていない珍しいアコとか、特に目だつアコとか、これほど高価で、場合によっては一生に一台しか買えないような楽器なのですから、ぜひ自分自身の目と耳と、その他の感受性を総動員して自分にぴったりの、自分に一番気に入るアコを探してほしいと思います。 ドイツではAkkordeon
Centrum
Bruschがその道を切り開いた。 日本ではakkordeon.jpがそんな役割を担えたらいいなぁ、と思います。 とはいえ、現在まだ150台。 700台には遠く及びませんが、市場規模を考えると、おそらくドイツは日本の10倍から20倍、場合によってはもっと大きなアコの市場です。 それにおける150台はかなりなもんだな、とちょっと自己満足、我田引水、唯我独尊。 今回のドイツ楽器展ではZero
Setteが久しぶりにCome
Backを果たしたほか、Diatonicアコで新顔が2社出現、Lanzingerもこれまでのイタリアの工場との決別・自社生産への移行をするなどして、旧Zupan、Fismen陣営との対決姿勢を新たにした、Bugariも経営陣に若手を起用し、対応が改善されるほか、Borsiniは上記Akkordeon
Centrum
Bruschとの提携が進み、将来に向けて安定した生産体制が確保されたなど、イタリーのアコメーカーはゆっくりとした市場に対応する形をとりつつあるようだ。 このほかにこれまでの100%イタリア生産から、ルーマニア製部品をイタリーで組み立てるExcelsiorのほか、イタリア部品を海外でくみ上げるメーカーなど別の生き残り作戦を展開するところも増えつつあるようだ。 中国のアコがヨーロッパに大量に出回っているというほではないが、明らかに価格を下げる要因にはなっていて、メーカーは四苦八苦だが、ユーザーにとっては好材料だろう。 やはり、性能と品質を求めるなら多少価格は張るがイタリア製などの欧州製を、コストを優先させるなら、非イタリア製をという二極化は進むものと思われる。 下のBruschのWeb
SiteからOnline
Shopを覗くと、新品・展示品・中古品がわんさかと見ることができる。もちろん、英語かドイツ語でコレポンできればお宝商品が直接買えるかもしれない。 直接購入する場合は銀行の送金手数料が7千円、本体の送料が2万円から4万円、輸入時の消費税が本体代+送料の5%、かかるので、それを考慮して注文すればお気に入りの商品が手に入るかもしれない。 ただし、輸送時の破損、万一の場合の修理・保障、思っていたのと音色が違う、写真ではきれいなのに、実物は傷がある、などのリスクは輸入者ご自身の負担となる。 ネットので購入は触って確認できないというリスクは必ず付きまとうので、この辺は割りきりが必要だ。
http://www.akkordeoncentrum.de
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