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バンドネオンの話の続き。 ドイツの首都ベルリンにあるPremierブランドのバンドネオンメーカーのオーナーPeter
Spende氏の話によれば、ヨーロッパでもBandoneonは戦後AAのバンドネオンの工場が当時の東独国営楽器工場に吸収されて間も無く一度死んだ。とくに、アコーディオンにその座を奪われて以来、一部のプロなどを除いて後継者も育っていない。とくに伝統的なCencertinaベースというか押し弾きで違う音がするボタンのRheinische
Tonlage(Argentine Tonelageとも言われる)タイプについては奏法が難しく、弾けるようになるまでに大いに苦痛が伴うため、習う人が少ない。 押し弾き同じ音がするChromaticタイプも戦前にパリのPeguri氏により開発され、フランスでは盛んと言われているが、これもボタンの位置を覚えるまでにちょっと時間がかかる。 今般Premierから発売されているChromatic-CタイプのバンドネオンはボタンアコのCタイプとボタン配列が100%共通であるため、Cタイプのボタンアコを弾ける人にはまったく違和感が無い。左手のベースのキー配列は基本的にこのCタイプのボタン配列を180度変えて配置してあるため、左手側がフリーベースであると考えればわかり易い。 今後バンドネオンが再度復活したり、ブームとなる可能性があるとすれば、それはこの方式しかありえない、と確信しているとのことであった。
左手でも右手とおなじクロマチックのボタンアコと同じ配列なので、あとは和音とリズムを左でやればいいことになる。 左利きの人にはこの逆もできるということで、芸術的センスというか能力に長けているとも言われる左利きの人には思わぬ朗報かも知れない。 私の場合は通常右利きなのですが、お酒を飲むときだけ左利きになります。 すでにフランス、北欧ではクロマチック(Peguriシステム)が主流となってバンドネオン文化を継承している。 それらの文化を支えてきたのもこれまでは戦前に作られたAA製のクロマチック(Peguri)バンドネオンだ。そのPeguri式のボタン配列は通常のボタンアコのクロマチックーCタイプにかなり近いものの、まだ古いConcertinaの尻尾を残している発展途上の製品だった。 今回の100%ボタンアコとコンパチのバンドネオンには大いに期待しています。 昨日1台見本用に発注したので、2月後半の入荷が楽しみです。
http://www.bandoneon-berlin.de/
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