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バンドネオンの種の変異  投稿者:川井 浩  投稿日: 1月 7日(土)10時53分16秒
  生物が突然変異を起こすことは知られていますが、サルと人類がどこかで枝分かれしたように、トカゲとワニがいつか枝分かれしたように、ルーツを同じくするものの、似て非なるものの出現には時間がかかるものです。 最近中国で発見された新種の魚の例からすると、新種の誕生には5万年ほどかかっているらしい。 人間が開発する技術の進歩は加速度的にスピードアップしているとはいえ、競って売上を伸ばす流行物の進化は早いが、舞台の表舞台から去ってしまった楽器の進化は遅い。 しかし、そこにもしっかりと情熱をもった人々がいて、演奏やものづくりにいろいろな工夫が重ねられてきた。 そして、それが突然変異のような新種の誕生へと結びつく。 振り返ってみれば、その新種の数々がすべて後世にそのままの形で残ってきたわけではない。 面白いけど結局歴史の一こまで終わってしまった技術やアイデアの方がむしろ多い。 それでも、人類の偉いというか、人間の面白いところは一般大衆のなかに秀でた天才を生み出す力があるということだ。 一般大衆を卑下しているわけではなく、一般大衆の総意が天才を生み出すのだ。 その意味ではこんなものがあったらいいな、と思うこと自体が創造の源なのだ。 バンドネオンはかつては単なるConcertinaだった。 ConcertinaがConcertinaのままだったら、あのアルゼンチンタンゴは生まれなかったかもしれない。 もしかしたラクンパルシータはケーナとチャランゴで演奏されていたのかもしれない。 ドイツ、ライン河下流沿いの街KrefeldでHeinrich Bandが当時のCarlsfeldやKingenthalの楽器メーカーに新しいタイプのCencertinaを作らせなかったら、そしてそれを情熱をもって教え、広め、販売していなかったらバンドネオンの隆盛はなかった。 バンドネオンは世界大戦を生き延びたが、供給もとの消滅もあり、他の楽器との競争もあり、歴史上の晴れ舞台から去った。 しかし、その音色、独特の構造からくる人の魂との結びつきを完全に消し去ることはなかった。AAの工場から最後のバンドネオンが出荷されて50年もたつのにまだかろうじて生きている。 年間1万台以上も製造するようなかつてのバンドネオンメーカーの隆盛が今後見込まれるかどうかについては大いに疑問が残る。 しかし、種の変異はリバイバルのきっかけになりうることは歴史が証明している。 種の発展は単に自らが変異したことが偶然の突然変異なのではなく、時代が、一般大衆がそれを待ち望んでいたかどうかが大きな成果につながる。 その意味で、あの、バンドネオンの音色、表現力、デザインを残したままで、クロマチック・フリーベース・アコとして登場してきた今回のPremier社のこのモデルの出現にはなにか歴史が変わる瞬間に立ち会ったような戦慄を覚える。 自分とはまったく無縁と思われてきた楽器がちょっと手を伸ばせば、ちょっとチャレンジすれば、演奏でき、これまでアコでの表現力では表現しきれなかった感情表現ができるようになるのだ。 あれほどまでに人の心、魂、を揺さぶり続けているタンゴの世界や、クラシック、教会音楽、その他の音楽にバンドネオンで飛び込んでいける、新しい世界を構築できるチャンスがかなり現実のものになりそうな予感がするのだ。 かつてのConcertinaがバンドネオンに発展して大ブレークしたように、このクロマチック・フリーベース・アコが大ブレークするかどうかはわからないが、少なくとも私はチャレンジすべく1台購入を決めました。  

バンドネオン  投稿者:ZEN  投稿日: 1月 6日(金)21時11分39秒
  押し引き異音のディアトニコのバンドネオンのほかに押し引き同音のクロマティコの
バンドネオンがあることは以前から知っていましたが、こういう完全に左右対称のク
ロマチック配列のバンドネオンがあることは初めて知りました。配列はボタンアコの
フリーベースと同じですね。

http://naokodoll.altervista.org/fisarm.htm

 

ボタンアコと同じキー配列のBandoneonです  投稿者:川井 浩  投稿日: 1月 6日(金)08時49分11秒
  バンドネオンの話の続き。 ドイツの首都ベルリンにあるPremierブランドのバンドネオンメーカーのオーナーPeter Spende氏の話によれば、ヨーロッパでもBandoneonは戦後AAのバンドネオンの工場が当時の東独国営楽器工場に吸収されて間も無く一度死んだ。とくに、アコーディオンにその座を奪われて以来、一部のプロなどを除いて後継者も育っていない。とくに伝統的なCencertinaベースというか押し弾きで違う音がするボタンのRheinische Tonlage(Argentine Tonelageとも言われる)タイプについては奏法が難しく、弾けるようになるまでに大いに苦痛が伴うため、習う人が少ない。 押し弾き同じ音がするChromaticタイプも戦前にパリのPeguri氏により開発され、フランスでは盛んと言われているが、これもボタンの位置を覚えるまでにちょっと時間がかかる。 今般Premierから発売されているChromatic-CタイプのバンドネオンはボタンアコのCタイプとボタン配列が100%共通であるため、Cタイプのボタンアコを弾ける人にはまったく違和感が無い。左手のベースのキー配列は基本的にこのCタイプのボタン配列を180度変えて配置してあるため、左手側がフリーベースであると考えればわかり易い。 今後バンドネオンが再度復活したり、ブームとなる可能性があるとすれば、それはこの方式しかありえない、と確信しているとのことであった。

左手でも右手とおなじクロマチックのボタンアコと同じ配列なので、あとは和音とリズムを左でやればいいことになる。 左利きの人にはこの逆もできるということで、芸術的センスというか能力に長けているとも言われる左利きの人には思わぬ朗報かも知れない。 私の場合は通常右利きなのですが、お酒を飲むときだけ左利きになります。 すでにフランス、北欧ではクロマチック(Peguriシステム)が主流となってバンドネオン文化を継承している。 それらの文化を支えてきたのもこれまでは戦前に作られたAA製のクロマチック(Peguri)バンドネオンだ。そのPeguri式のボタン配列は通常のボタンアコのクロマチックーCタイプにかなり近いものの、まだ古いConcertinaの尻尾を残している発展途上の製品だった。 今回の100%ボタンアコとコンパチのバンドネオンには大いに期待しています。 昨日1台見本用に発注したので、2月後半の入荷が楽しみです。

http://www.bandoneon-berlin.de/

 

eteさん  投稿者:川井 浩  投稿日: 1月 6日(金)00時47分29秒
  eteさん、ご活躍を楽しく拝見させていただいております。 今年もよろしくお願い申し上げます。 今日は急用で大阪まできたので、アコを担いでこられませんでした。明日も早朝帰社するため、お目にかかれませんでした。 奈良のアコ弾きさんにもSEM CIAOのMIDIアコを是非見ていただきたいと思っております。 また、あらためて大阪にくるときは担いで参りますので、そのときは是非見てください。  

遅くなりましたが  投稿者:ete  投稿日: 1月 5日(木)11時52分26秒
  あけましておめでとうございます。
昨年はこちらの掲示板で楽しませていただきました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

http://ameblo.jp/accordion

 

Bandoneon "Premier"  投稿者:川井 浩  投稿日: 1月 5日(木)00時54分20秒
  まだちょっと公開は早いのですが、ドイツPremierブランドのBandoneonを輸入販売することにしました。Premierブランドは日本ではすでに数年前から発売されていますが、Diatonic式に似たアルゼンチンスタイルのものだけが輸入されてきましたが、これは実際には使いこなせるようになるのが非常に難しい代物で、なかなか奏者が現れない理由の一つでした。 今回私が輸入するのはクロマチック式で、右手はボタンアコと同じ配列で押し弾き同じ音が出るボタンのタイプ。 これだけでずっと覚えやすくなります。 左側はこれも同じような配列になっているため、フリーベースをできる人ならすぐできます。 少なくともボタンの位置の確認は格段に覚えやすいので、これまでの押し弾き異なる音のでる、それもどこにどの音のボタンがあるのかなかなか覚えられないタイプに比べるとかなり簡単。 実はこのタイプのバンドネオンはフランス、北欧などを中心に戦前からあり、かの有名なAA(Alfred Arnold)ブランドのBandoneonもこのタイプを製造していた。私としてはやはりタンゴはバンドネオンで聴きたいし、また、バンドネオンの表現力でクラシックやジャズも是非聴きたいと思っております。 その意味で、比較的簡単に覚えられるクロマチック式のバンドネオンの普及に心がけて行きたいと存知ます。 2月後半には入荷予定です。 入荷次第皆様にご案内しますので、是非遊びにきて、触ってみてください。 アコの世界がまた少し広がることになると思います。 ピアノ鍵盤式のアコを弾ける人はボタンアコへの転向は難しくないといわれます。 ボタンアコを弾く方はピアノアコからボタンアコへの乗り換えよりもさらに簡単にクロマチック式のバンドネオンへの転向が可能のようです。 大いに期待していいと思います。 古く硬直化したバンドネオンの世界を変えて見たいという気分で、早くも今年の目標の一つが動き出しました。 アコの仲間であるバンドネオンに関してもぜひとも情報交換をしてまいりましょう。 ちなみにバンドネオン専用のHPにも着手しました。 現在はまだ工事中です。

http://www.bandoneon.cc

 

くどうえり様  投稿者:川井 浩  投稿日: 1月 4日(水)21時53分10秒
  新年のご挨拶ありがとうございます。 こちらこそよろしくお願いします。 いつもくどう様の新鮮で繊細な感覚のBLOGを拝見して刺激をうけております。 アコサロンは参加するほうは気が楽ですが、開催するほうはさぞやいろいろと大変だろうとお察しもうしあげます。 その熱意とエネルギーはすばらしいし、素敵です。 かげながら応援しております。 今年ももりあがりますように。  

新年のご挨拶  投稿者:くどう えり  投稿日: 1月 4日(水)16時03分42秒
  川井さん、皆さん、明けましておめでとうございます。(もう4日ですが)
昨年はこちらの掲示板のおかげで、いろいろと勉強もさせていただき、また人の輪も広がっていきました。今年もどうぞ、よろしくお願いします!

http://hplecture.hp.infoseek.co.jp/HPharmonie/ako.html

 

軽いアコといえば  投稿者:川井 浩  投稿日: 1月 3日(火)23時10分23秒
  奈良のアコ弾き様、明けましておめでとうございます。 皆様から「軽いアコ」に対するご要望を多くいただいておりまして、このところ意図的に4リードなら37鍵・96ベース、41鍵・120ベースなら3リードタイプのアコスティックアコを集中的に仕入れています。それでも重量は37鍵で8.5kgから9kg、41・120は10kg前後になります。 そこにくるとSEMのMIDIアコCIAOシリーズはピアノ鍵盤タイプの41鍵・120ベースのモデルが7kg。 ボタンタイプでも120ベースのものは7kgですが、フレンチタイプのモデルはなんと5.5kgです。 実際に演奏して見ると、いや本当に軽い。 ソロで演奏してもいろいろな音色がでるので聞くほうも飽きが来ない。 音量はアンプでいかようにもなる。 夜は、一人静かにヘッドフォンで音の海へ一人漕ぎ出し、身も心もミューズの女神にささげる気分。 かく申す私も、SEM CIAOのストリングスの音色や、テナーサックスの心地よい音色に、自らがマントバーニかナベサダになった気分になりきっています。 外部MIDI音源に接続すれば、三味線や尺八の音色もだせるので、変幻自在。 蛇腹もリード無しのため、軽くベローイングやベローシェイクができるので、演奏にも変化をつけやすいとの評判です。 5日の午後、大阪まで日帰り出張の予定ですが、ご興味とお時間があればアコとヘッドフォンを担いで奈良で一時下車してお試しいただくことも検討しますが、いかがですか? 今なら、ピアノタイプなら色が黒、青、赤とありますので、お好きなカラーをお選びいただけます。  

軽いアコ  投稿者:奈良のアコ弾き  投稿日: 1月 3日(火)15時43分8秒
  謹賀新年
 昨年はいろいろお世話になりありがとうございました。イベントも一段落しましたのでふたたびホーナーのボタンアコに取り組んでいますが、齢(よわい)のせいか体力が持続しなくなってまいりました。アハハ・・・・・奈良市内でのうたごえ喫茶もすでに4年目、このうわさが公民館にとどき、今年から公民館でのうたごえ喫茶が追加。で、月二回の鍵盤アコを続けるほかありません。
 息切れが現実味を帯びてきたいま、真剣にミディアコなど軽いアコを検討しなくてはと考えています。その切はよろしくお願いします。      岩野