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本業の棚卸を終え、仕事収めの翌日の昨日の午後、一息つこうかと思ったそのせつな、山梨県からの緊急電話。 暮れ・正月のステージで弾くアコがどうしようもない状態、Help! とのこと。 山梨県を中心にアコ演奏一本で生計を立てている立派なアコルニストのAさんからの電話でした。 アコはおそらく今年還暦の私と同世代のアコ。 私並にそうとう古い。 満身創痍。 聞けば、今年の夏はキャンプファイヤーの脇で弾いていて、火の粉はかぶるわ、熱でワックスがとけてリードがばらばら落ちるわ、などとすさまじい人生を潜り抜けてきたアコであることが判明。 私の人生に似てます。 思わず同情。 おもわず涙。 蛇腹を開けてまた涙。 だって、そうとうひどい状況だったんです。 調律と思ったら、そうではなくて、古いワックスはすでに接着力をなくして、リードはがたがたと踊っているし、ベースはベースでずんとこないで、すぅ〜、ぷぅ〜、と臭い屁みたいな音を出している。 だれが開けたか、蛇腹を組みなおすときにベースのリードバブル数枚を引っ掛けて曲げてしまい、バルブ開けっ放し状態。 キーボードをさかさまにするとたしかに、今年の夏のおもひでか、キャンプファイヤーのなごりか、アコのキーボードから落ちてきた燃えカスや火の粉の残りが机の表面を覆ってしまった。 電気ショックを含む3時間の集中治療室での大手術の結果なんとか息を吹き返したPaolo
Soprani君は、2−3日酒を飲まなかった私のようにすっかり元気になりました。 もともとグレードの高いリードを使用してあるせいで、一度調子が戻ればたいした音を出している。 完璧にするにはリードバルブの張替えが必要だが、緊急を要するほどでもないので、Aさんの時間とお金のあるときにおいでいただくことにしました。 私が肥満と水虫をかかえているものの生活はできている、みたいな状況ですが、養生すれば大丈夫。 あぁ、アコって人生だなぁ。
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