シーサイドレストランでの昼食  投稿者:川井 浩  投稿日: 5月25日(木)06時11分12秒
  Castelfidardoは海辺から10kmほど内陸に入り、小高い丘の上に作った城壁に囲まれた中世の街だが、その海辺がすばらしい。 今日のランチはその海辺のシーフードレストラン。 さわやかな海風を受けながら、木陰でいただくとびっきり上等の冷えた白の地ワイン。たまりまへん。海の幸のリゾットにつづき、ご近所で捕まえたばかりの新鮮な小魚類や海老などのミックスフライ。これらにこの白の地ワインがやたら合う。デザートは松の実を散らしたクリーミーなアイスにホットチョコレートかけ。 うまいんだな、これも。 皆さんにせめて写真でもと思ったときはすでに遅し、気が付いたら食べた後だった。すみません。仕上げにいただいたグラッパがまたいいんですねぇ。 昼間のグラッパは特によく効きます。足元がグラッパきます。それから100%イタリー語で調律の特訓を受けたので、いや、わかるのわからないのって、わからん。グラッパで眠いし。それでも必死にしがみついて講義を受けたので、わかりましたよぉ〜、調律の極意が。 少なくとも気分的にはわかった。 あとは実践あるのみだ。
 

Beltuna物語  投稿者:川井 浩  投稿日: 5月25日(木)04時16分8秒
  ろばの耳様、花は上下で約2cm〜2.5cm。 いい香りが当たり一面に漂う。 ♪うーのはなーの、におう垣根に♪ と歌いたいが、うのはなにはあらず。 なんだろう、気になる。
さて、今朝はBeltuna社を訪問した。 社長とJr.に面談し、工場見学、製品勉強をさせてもらった。 製品作り、とくに品質管理には相当気をつけている様子が好感が持てる。 今でも評価の高いHohner Alpinaの初代下請生産メーカーであったことが判明して、やや感動。 その後、ZupanにもOEM(下請)供給を開始したが、Zupanの評判と成功に業を煮やしたHohnerからZupan向けOEM生産をやめることを前提とした独占契約を突きつけられ、当時世界最大手のHohnerの申し出を断るかどうするか苦しんだ結果これを勇気をもって断った。 巧妙が辻のようなストーリー展開に手に汗を握る。 その後、思わぬ断りにあい、逆にHohnerは下請け先を転々と変え、ついにAlpinaシリーズはその後のHohnerと同じように、あるいはその行く末を暗示するように終焉を迎える。 そうするうちに今度はZupanで内紛が発生し、LanzingerとZupanに分かれる。 Zupanは資金難に遭遇し、ドイツの販売会社の傘下に入るが、この第2世代のZupanへの供給は今日も細々と続いている。 一方Zupanの内紛の余波を受け、Beltuna社内にも分裂がおき、3人いたマイスターの2人と従業員6人が退社し、新たにfismenを興す。fismenの専有納入先はLanzinger社だった。 だった、というのはその後、昨年後半、Lanzinger社のオーストリアの販売代理店がfismenに密通。 下請け専門メーカーだったfismenのブランドでメーカーとしてデビュー。今年のフランクフルトのドイツ楽器展ではLanzingerと軒を並べての参加となった。 Beltunaは一時辛酸をなめたが、その後自力で盛り返し、その後もDiatonicアコ、AlpinaタイプのアコAlpstarでドイツ、スイス、オーストリアでむしろ自社ブランドの製品でこれまでのHohner、Zupan、Laizinger、fismenブランドの市場で勢力を伸ばしている。 皮肉なことに一時はトップに踊りでたもののその後、いずれも経営危機に面しているのは先発メーカーでいずれも下請けに製造を委託していた、いわば、ペーパーメーカーというか、自社で製造していないメーカーだ。 BeltunaこそはじめからHohnerのAlpinaを製造し、ZupanのAlpinaモデルを製造し、Lanzinger向けに製造していた人材を抱えていた、本来のAlpinaのメーカーだったのだ。 いまや、それが大手の下請けではなく、自力のブランドであるBeltunaで堂々と打って出ているということになる。 そして、製造はAlpinaタイプのアコやDiatonicにとどまらず、チャンバーじゃないのにチャンバーの音のでる「Q-Sound」方式を開発したり、独特の音質を持つ「Amplisound」を考案したり、と積極的だ。 使用する木材の長期乾燥室を設けたり、アコ製造後一定期間寝かせることで初期ストレスを取り除くなど、他社に無いこだわりの品質管理に圧倒された工場見学だった。 このメーカーは伸びる、製品は信頼がおける、という自信を得た有意義な工場見学だった。
ちなみに、CastelfidardoでPaolo Sopraniについで古い有名ブランドのDallapeは会社としては10年前に製造を中止し、元の工場は博物館になっていて、今はDallapeとう工場は存在しないということを今日聞いたところだ。 現在製造されているとしてもDallapeは昔のDallapeでは無いようだ。 どこかの下請け工場が作っているということになる。 まぁ、当地では別に珍しいことではないが、日本ではこのセンスはとおりにくいし、受け入れられにくい。
 

re:この花なんの花?  投稿者:ろばの耳  投稿日: 5月24日(水)23時48分13秒
   この花のこと、心当たりに聞いてみましたが、「大きさはどうなんだろう?」と逆に質問を受けてしまいました。比較用のタバコとかがあるとターゲットを絞りやすいらしいですが、「見たこと無いなぁ」とも。

 ご旅行中のビッグなお誕生日の様子とか、韓国行きだけではなかった旅のスリルとか、有益なアコ情報とか、いつも楽しくハラハラしながら川井さんのリアルタイム旅行記を拝見しています。
 お帰りはもうすぐですね、どうぞお気を付けてお帰り下さい。
 

この花なんの花?  投稿者:川井 浩  投稿日: 5月24日(水)12時20分27秒
  Brandoni社からぶらぶらあるいてCastelfidardoのホテルに帰る道すがら、垣根になんともいい香りを漂わせて咲き乱れていた蔓性植物のこの花。 日本でもよく梅雨時、庭先や藪のなかに混じって咲いて、いいにおいを漂わせているこの花の香りをかいで、ふと望郷の念にかられてしまいました。 どなたか、この花の名前をご存知の方はいらっしゃいますか?
 

ダブルリベットリード(2)  投稿者:川井 浩  投稿日: 5月24日(水)12時09分30秒
  前述のダブルリベットリードの写真はトレブル側ないし、ベースサイドのコード用のものですが、低音バス用のダブルリベットリードがこちら。 こんなリード見たことある人少ないと思います。 卓上で通常のシングルリベットリードと比べてみると明らかにリードフレームへの振動の伝わり方が違う。 卓上でリードをビーンと振動させると机そのものまで振動するほどの威力がある。 これでいて、いわゆるヘリコンバスとはことなる普通のバス用のリードなのです。 恐るべし、ダブルリベットリード。 本当の高級機にしかつきませんし、100万円程度の「普通の」高級機にもついていません。 これをお試しいただけるのは7月中旬以降となります。 Brandoni King Line Cassotto Wood Model 147にぶち込みます。 もう、これ以上高級機はいらない、と思っていたあなた、是非これを触ってみてください。 37鍵でも120ベース、オールウッドで響く響く。 プロフェッショナルハンドメードリードのダブルリベット止め。 音質・音量ともに他の「高級機」を寄せ付けない迫力。 木目に最高級ゴールド仕上げで見た目も渋い上にゴージャス(写真はまだ未完成の状態)。 おまけに軽い! これが福音。 そこそこいい音だけど、でかい、高い、渋い、いまいち他のアコとくらべて特にぱっとしない、なんて「高級機」を持っている方、これは必見です。 これが単なる宣伝文句か、単なるはったりか、それとも現実に起きている夢のような事実なのかは、7月中旬以降にお確かめいただけます。 こちらは冷やかしはご容赦いただきたいモデルです。
 

Brandoni 高級機と入門機  投稿者:川井 浩  投稿日: 5月24日(水)02時53分43秒
  下に述べたDouble Rivet Reeds付きのオール木製モデル147の製造途中の映像です。 その後ろにちょこんとあるのはBrandoniの入門機、モデルPiccolo。 子供用のアコでつまらない音がするのかと思いきや、これがどっこい、本物の高級リード付き(MM)の30鍵・72ベースの本格派。 軽いので、持ち運び、立ちっ放し演奏に最適、音量・音質ともに大人も満足なので、いつも弾いちゃう、そんな魅力的なアコなのです。 これのBodyの色をエレガントなグリーンで発注済み。 これはすぐに売れ先が決まりそうだなぁ。
 

ダブルリベットリード  投稿者:川井 浩  投稿日: 5月24日(水)02時43分31秒
  Brandoni社に発注してあるオール木製37鍵・120ベース、4リード(HMML)、LMチャンバー付きモデル147には特別にダブルリベットリードが使用されています。 普通は最高級ハンドメードリードでもリベットは一つ。 ダブルリベットにすることでリードの位置がずれることがなくなること、およびリードの振動をより強くリードフレームに伝えることができるため、同じハンドメードリードでも音量が3割方大きくなったように聞こえます。 また、精密度を最高度まであげているため、ピアニッシモからフォルテまで無段階にきれいに音が伸びます。 音の立ち上がりも勿論すばらしい。 こんなリードで製造されたアコはおそらく日本には何台も無いのではないかと思われます。 もしかしてみたことがある人はいないかも。 で、試しにBrandoni社の社長さんに演奏してもらったのですが、これがすごい。 ものすごいということが実感できました。 これまで最高級品として売られているモデルに劣らないというよりはさらにすごい。 こんなアコ見たこと無い、という表現が正しい。 このアコは6月末入荷予定です。 届いたらまた紹介します。
 

Suoni社訪問  投稿者:川井 浩  投稿日: 5月23日(火)19時11分3秒
  Scandalli、Paolo Soprani、SEMブランドの製品を製造するSuoni社を訪問した。世界的に販売が伸びており、工場も営業も忙しそうだった。営業担当のSelenia Menghiniさんと情報交換・打ち合わせを行い、いくつかアコを発注してきました。 Paolo Soprani Professional 1A + CIAO(MIDI付き)とSEM 404 + CIAO(MIDI付き)です。ともに重量は9kg、37鍵盤・96ベース、2万種類以上の音の組み合わせを楽しめるMIDI内臓の楽しいアコ。アコースティックのいい音と電子音の両方が楽しめ、夜中はサイレントアコになり、真夜中の練習や演奏が楽しめる。 おまけに、山に担いでいって、電気がないところでも、アコが弾け、音響装置のあるところでは一人オーケストラになれる。 今同社で一番売れ筋のモデルがこれ。トレンドは電子+アコースティックかも。写真はいつもCharmingなSeleniaさん。
 

Castelfidardoへの道  投稿者:川井 浩  投稿日: 5月23日(火)16時44分5秒
  ところで、Castelfidardoのある丘陵地帯から東に20kmも行けば波も無いアドリア海だ。海の向こう側は旧ユーゴスラビアの諸国、さらに南下すればギリシャだ。 RiminiからAnconaにかけては、ロングビーチも九十九里の浜辺もびっくりの大海水浴地帯だ。列車はその海水浴客のすぐ後ろをゆっくりと通過する。水着を着けないで日光浴する人もいたが、そのときは列車は早かった。
 

Castelfidardo夜の散歩-6  投稿者:川井 浩  投稿日: 5月23日(火)16時11分33秒
  城壁の内部のような町の中心部は路地から路地につながる迷路のような坂道だらけの細い道が多い。 今のアコメーカーの工場は大手はすべて山の下、郊外にある。 今日は
 

Back number 97