フリーベース  投稿者:ZEN@北海道  投稿日:11月 8日(水)07時49分55秒
  3列のフリーベース(クロマチック配列)の並びはろばの耳さんの投稿のとおりです
クロマチックバンドネオンはこれが左右対称に並んでいると考えてよいでしょう
この配列のほかにTCS(タイタノコンバータシステム)というストラデラのベース部分を3オクターブに延長したような配列のフリーベースシステムもあります

おっしゃるとおりストラデラかフリーベースか、やりたい音楽のジャンルによると思います
左手でメロディーも弾けますし、ドミソドミソと分散和音も弾けます

実際ためしてみるとわかりますが親指は短いだけじゃなく、付いている角度がほかの指とは違うので、せいぜい一番外側(dim)ボタンくらいしか弾けません
御喜美江さんのゴラのように内側3列のフリーベースでは親指を使うことはないと思われます
御喜美江さんのようにフリーベースでクラシックの難曲を自由に弾くのはかなりたいへんなことです

いずれにしても、実際に自分で弾いて経験してみなければわからないこともあります
フリーベースの楽器は高価で重いというのが相場ですが、ローランドのVアコあたりはフリーベースの数種類の配列に対応しているので、これからフリーベースを経験してみたいというかたにはよいかもしれません
 

re:フリーベースについて  投稿者:ろばの耳  投稿日:11月 7日(火)21時28分49秒
  ZENさん

》よくフリーベースはピアノのような曲が何でも自由に弾ける万能、究極のアコと思われていますが
》左手はバンドで手の甲が押さえられていることで親指があまり自由に使えないなど
運指上の制約があって右手ほど自由になんでも弾ける訳ではありません
》左手は手の甲を押さえつけたまま親指を除いた4指で弾くことを想像してみてください

 全く仰る通りですね。万能どころか左手はベローイングも担っていますから多くを期待するのはかなり無理があります。

 ところで、長くなりますが、このテーマについては次のような切り口を明らかにしないと話が混乱してしまいそうです。
・フリーベースのベース配列はどうなっているのか(知識)
・どういう音楽をアコで弾きたいのか(ジャンルや目的)
・アコはアマチュアとして楽しむものかそれとも音楽を学びあるいはより一歩進んだ表現手段としての選択なのか(立場)

 ZENさんはここのメンバーとしてはフリーベースにもコンバートできる楽器をお持ちの希少なお立場だから、その活用が如何に険しい道かを体験なさった上でのコメントと思いますが、僕はフリーベースの楽器は触ったこともなく、ここ半年ほどの主としてネット上での情報収集に基づいていますので、勘違いの部分については是非とも訂正をお願いします。

 ここで、最も多いと思われるM3タイプのベース配列を2オクターヴ分だけみると、以下のようになっています。ボタン配置は、間隔も角度もストラドと同じです。

    (蛇腹側)
.H G# F D H G# F D
..B G E C# B G E C# (上)
C A F# D# C A F# D# C

..はスペース代わりに入れましたが、ピアノの白鍵を白丸、黒鍵を黒丸として仮に白黒で書くと以下のようになります。

    (蛇腹側)
.○ ● ○ ○ ○ ● ○ ○
..● ○ ○ ● ● ○ ○ ● (上)
○ ○ ● ● ○ ○ ● ● ○

 それぞれは一応単音ですから、音階やメロディは対応するボタンを押さえればよいでしょうが、和音を弾くには和音の構成音に対応するボタンを必要な数だけ同時に押さえる必要があります。きっと、指使いには推奨された形があるでしょうが、このような3列の配列の場合、音階だけでも長短合わせて6種類の推奨パターンで済みそうですが、鍵盤のような触覚情報(黒鍵には高さがあって位置も奥にあるので触覚だけでかなり分かる)が欠けている分、やはりフリーベースは若くなければ初めて取り組むには相当シンドイ気がします。

 しかし、なぜフリーベースか。それは、ベース音を無限音階に閉じこめてしまうストラデラベースから解放されて「オクターヴ跳躍や、さらにそれ以上の跳躍が必要な曲をアコで弾きたい」という事に尽きます。そのような音楽上の要求を諦めてしまえば、ストラドは軽いしボタン一つで和音が弾けて便利だし、全く言うことないですけどね。

 では、そのような曲は一体どんな分野の曲かと言えば、いわゆるクラシック音楽の分野に多いということは言えるでしょう。しかし、例えば高木東六の「水色のワルツ」を左手で弾いて右手にオブリガードを入れたい、あるいは左手でその逆をやってみたい・・・このような事だけでもストラドでは望みようがありません。要は、現在のところフリーベースの機能を活用できるような楽譜が殆ど無い(作曲はもとより編曲も間に合っていない)だけの話だと思われます。

》フリーベースとストラデラ、これは一長一短あり、どちらがすぐれているとは言い切れません

 既にコメントしたように、これは詰まるところ、少くともどういう曲をアコで演奏したいか、あるいはこれからとどういう立場でどうするのという次元の話として議論しないと片手落ちだと思われます。JAA の Accordionist Vol.3 の巻頭に御喜美江さんが日本のアコーディオン界あるいはJAAに対する提案・期待として述べられている中に、次のような部分があります。

・アコーディオンという楽器は様々な用いられ方があり、そのため年齢も、職業も、ジャンルも、実に広い。(部門別に分けるなどでお互いを大切にしながらそれぞれが内容的に充実できる可能性を確保できるような工夫が必要)
・私としては、フリーベース無しのアコーディオンは、これからの世代の人達に教育する楽器としてあまり意味がないと思います。
・いくつかの部門を作って、それらが共存できるシステムにしてゆく−というのが、これからのJAAにお願いしたい私の希望です。

 これからの世代でないどころか既に老境にある僕としては、フリーベースに関心を持つこと自体がどだい無理な話なので、軸足はストラドに置きながらフリーベースにもなる、そのような軽い楽器があったらなぁと思うわけであります。今回の川井さんの集めてこられた楽器の中にBUGARIのコンバータ式のものが含まれていますが、品不足の言われる中、よくぞ確保して下さったと頭の下がる思いです。まだ女房殿の許しが得られないのが身の不徳の致すところ、自分としては手を挙げることが出来ずいかにも残念でなりませんが。
(長文失礼しました。これでもかなり削ったのだけど・・・)

p.s.質問です
 冒頭の引用部分の中程に「親指があまり自由に使えない」とありますが、親指が使えるとしたらストラドのdimボタン位置の音を担当するのでしょうか? 他の位置はは基本的に無理だと思いますが如何でしょう?
 

Bugari 新着アコ紹介  投稿者:川井 浩  投稿日:11月 6日(月)00時18分56秒
  Bugari Armandoのアコが11台入荷しました。 とりあえず新品・中古アコのコーナーにて紹介しております。 是非ご参照ください。 第一回目の入荷はこれまでどおりのゆったりとしたトレモロにしました。 クラシック、合奏、ジャズなど幅広い応用が可能だと思います。 それぞれ特徴あるモデルを取り揃えましたので、是非ご検討ください。

http://www.akkordeon.jp/Demono.htm

 

フリーベースについて  投稿者:ZEN@北海道  投稿日:11月 5日(日)23時24分19秒
  よくフリーベースはピアノのような曲が何でも自由に弾ける万能、究極のアコと思われていますが
左手はバンドで手の甲が押さえられていることで親指があまり自由に使えないなど
運指上の制約があって右手ほど自由になんでも弾ける訳ではありません
左手は手の甲を押さえつけたまま親指を除いた4指で弾くことを想像してみてください

たしかに一面ではストラデラベースでは出来ないことがフリーベースでは出来ます
フリーベースは音階的、旋律的な演奏は得意ですからバロック音楽など対位法音楽に向いています
その一方、ストラデラで簡単にできるような和音伴奏がフリーベースでは難しかったりします

フリーベースとストラデラ、これは一長一短あり、どちらがすぐれているとは言い切れません
 

チャオ改造のこと  投稿者:奈良のアコ弾き  投稿日:11月 5日(日)20時25分14秒
  MIDIAKI様 MIDIアコの音色切り替えスイッチを機能的に改造する件でたいへんなご苦労
をさせて申し訳ありません。蓼品であなたの改造作品にお目にかかった衝撃は強烈で、
たとえどんなに長い時間待つことになっても、私は決してあきらめません。
 アコースティック風のあのスイッチは、ショボショボまなこの私にとって救いの神。
 秋葉原に出向かれた折で結構ですから何とぞお骨折りをお願いいたします。
 

ハンドウォーマー  投稿者:川井 浩  投稿日:11月 5日(日)14時40分11秒
  今朝、うちの娘が気取ってつけていた『ハンドウォーマー』というもの。はじめてみましたけど、これアコ演奏に使えそうな気がしております。結構おしゃれアイテムとしていろんな色・柄があるらしい。女性なら抵抗なくそのまま両手にしていてもいいかも。おじさん用のハンドウォーマーというのがあるかどうかは未確認です。ステテコや股引と同じ色柄とか、である必要はありませんが、木綿製のものがあるとよさそうですね。 マイクロファイバーを使用してもらえば吸汗とアコ清掃の両方ができて優れものになる可能性あり、ここにビジネスチャンスを感じた人は企業家になれ、ないか。
 

日本のアコ文化  投稿者:川井 浩  投稿日:11月 5日(日)14時32分59秒
  皆様、いろいろとご投稿ありがとうございます、と十把一絡げですが、とりあえず御礼まで。 アコ市場の縮小からくるアコメーカー間の生き残りをかけた競争激化がGola, Super VI, Artist VIを生むきっかけになるかどうか..... だれかやって欲しいですね。 イタリーメーカーにも提案してみましょう。 でも、だれが買います? 今のGolaの価格ならコストの高い日本でもだれかチャレンジできるのでは無いでしょうか?
細めの鍵盤は手の大きい欧米人でさえそちらが流行っているという現状からすと日本人なら慣れてしまえば大概の場合返って弾き易いと思います。慣れの問題もあるとは思いますが。
日本のアコ文化を創造していくのは、やはり若い世代だと思います。あるいは、気持ちが若い世代と言い直しておきましょう。できるだけ、多くの人にアコの楽しさを伝えていくことに共感してもらえる方、人前でアコを弾く快感をわかってしまった人、あなた方はアコの伝道師です。 キリストの12使途と同じです。 フランシスコ・ザビエルです。 アルベルト・シュバイツァーです。 アコ奏者が隠れキリシタンのような気分で隠れて生活するのではなく、♪目覚めよ、人の子よ、アコの世がきた〜♪とゴスペルソングを大声で合唱できるようになる日は近い。 かつて高石友也は歌った ♪よーあーけわぁ、ちかい〜、よーあーけわぁ、ちかい〜〜〜、ともよ〜...♪ きっときます、こさせます、アコがもっと身近になる時代。
 

re:レポート感想  投稿者:ろばの耳  投稿日:11月 5日(日)11時21分59秒
   ふつぞう様、初めまして。ご感想を大変興味深く読ませて頂きました。これは考えれば考えるほど興味の尽きないテーマですね。結局はこれも文化の問題に行き着くのでしょうが、関連して思いついたことを書かせて頂きます。

 もともと日本人は笛が好きな民族と言われていますが、フルートに関してはこれに情熱を注いだ先人の努力によって職人も育ち、今や本数だけでも世界の市場の1/3を占める供給国になり、高級品では立派なシェアを確保している例があります。ギターやピアノがこれに続くのかな? ヴァイオリンはかなり情熱が注がれたようで、プレイヤーは世界に巣立っていきますが、楽器の方は音楽そのものがアチラという事情もあって、なかなか入門用の楽器からの飛躍は難しそうに見受けられます。
 さらに、これらに共通している点は、入門レベルからの需要が楽器産業を足もとから支えているといった特徴があります。フルートに至っては、ブラバンでの人気や音大での人気などいわゆる“就職口”の門の狭さとは無関係なほど人気があるようです。

 さて、アコーディオンについてはどうでしょうか。ピアノやエレクトーンでは世界的な楽器メーカーが力を入れて来なかったように見受けられるのは如何にも残念と言わざるを得ません。ハーモニカが所得とのバランス感も相俟って国民的な支持を受けた時代はあったのですが、最早これも再び花開くことは難しいでしょう。こうやってみると、やはり足もとを支える需要の問題に行き着きますが、「一家に一台のアコーディオンを」なんて夢が語られない限り無理かなぁ・・・。今の楽器店のCD売り場でアコーディオンのCDを探す困難さや、楽譜や教本の売り場でアコーディオン関係のものを見つけ出すのが困難な状況ではやはり夢は儚いのかなぁ・・・。
 うーむ、せめてアコの魅力にとりつかれた者が、アコを抱えて飛び出していくのが先決なのでしょうねぇ。話が飛びますが、フリーベースの魅力なんてのも、やはりわれわれが<音楽を通じて>感じて挑戦して開いていくことで、これらの積み重ねがマーケットの確保に繋がっていくのでしょうね・・・と呟いて去る、ろばの耳でした。
 

レポート感想。  投稿者:ふつぞう  投稿日:11月 4日(土)09時40分3秒
   なるほど、本場でもかなり状況が厳しいようですね。しかしまだ日本であまり知られていないメーカーの楽器を川井さんが日本に広めて下さろうとするのは心強い限り。
 某高級ジーンズメーカーはアメリカでも作っていない昔ながらの製法を再現してジーンズを作り立派なブランドに仕立てました。金平糖はポルトガルでもとっくに廃れた製法を日本で受け継いで今に到っています。その他にも本国で廃れたものが極東の日本にたどり着きそこで生きながらえている、というケースが多々あります。アコーディオンについてもそうした形で稀少モデルが脈々と作り続けられる、という動きがあったらいいですね。手先が器用な上にハイテクの助けを借りられるメリットがありますから、実現したらかなりすごいことになると思います。
 

おかえりなさいませ川井様  投稿者:Tomyum  投稿日:11月 4日(土)00時56分43秒
  その視野が経済や社会にも及ぶふくよかなレポート興味深く拝見いたしました。
フリーベースてのがどんなものなのか、いまいちわかっていないのですが、なんだか自由度が高そうで興味をそそられます。鍵盤細めのアコが増えているというのは自分にとっては朗報です。今使っているのがExselsiorの鍵盤細いタイプのモデルなので、そんなアコがもう一つ欲しいと思っているところなのです。
そして様々な人との出会い。うらやましい限りです。それもこれも川井様のアコに対する情熱からくるものですね。自分のようにアコーディオンをただ自分の音楽を表現する道具と思っている人間には到底到達できない境地です。そうはいっても、アコーディオンとは長くつきあっていきたいと思っているので、いずれは調律なども自分でできればなあとは漠然と考えています。
ともかくこれからもよろしくお願いします。

ZENさま。ホームページに来ていただいてありがとうございます。色々と不備があるようで、アドバイスを生かして少しずつ改善していく所存ですので、いましばらくの時間をください。

http://www.eonet.ne.jp/~shinsato/

 

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